スリランカ・カールトンセブンズ大会 ~U24日本選抜チームを率いて~
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11月25日(木) アジア大会帰国翌日、セブンズU24男子7人制日本選抜が成田に集合。 13時間のフライトを経てスリランカに23時到着。 フィジー代表も到着し、フィジーチームと一緒のバスでホテルに向かいました。 就寝は1時過ぎ、明日1日の練習で大会に挑みます。 |
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11月26日(金) 8時朝食を経て9時には練習広場までウォーミングアップ(以下WU)を兼ねて走って行きました。 朝から雨模様でしたが、コミュニケーションをとりながらみんな元気良く積極的に身体を動かしました。 このチームのキャプテンは東芝新人の渡邊太生選手。先日のシンガポール大会で初参加、身体能力の高さを見せ てくれた選手です。 トップリーグ(以下TL)選手は他にNEC2年目の釜池選手、リコー2年目の森谷選手、NTT2年目の小峰選手の4人。 あとは学習院大学1年生FB江見選手、中央大学1年生WTB羽野選手が最年少18歳で、2年生に明治大学WTB佳久選手 、 流通経済大学3年SH吉田選手、日体大4年FL高井選手と大学生が並ぶヤングジャパンセレクトメンバーです。 ほとんどの選手がセブンズツアー初参戦とあって、私たちスタッフもこの短期間の間に成果を出すべく、 選手とのコミュニケーションをいつも以上に取ってサポート。 今季はサモアや南アフリカ、ケニア等、アジア以外のトップチームもアジアと同じ予選グループに参加。 全16チームが同じ場所で朝食、夕食を共にするというのも、選手たちには新鮮だったようで、 彼らにとっては全てが良い経験となっていました。 午前中はセブンズ日本代表のディフェンス(以下DF)の基本を確認するためにDF中心。 昼食前には昨年度と同様、スリランカの日本人学校へ訪問。 先生や生徒さんはじめ、みなさんから大歓迎を受けました。 交流会では、自己紹介、質問コーナー等、ラグビー体験コーナーでは恒例のラインアウトのジャンパー体験と盛 りだくさんで好評を得ました。すると生徒たちからも用意していた舞踊を披露。 短い時間でしたが、選手達には代表としての普及プロモーションがいかに大事なことなのか、実感したのではな いでしょうか。 セブンズジャパンは今後も海外遠征時に、世界でがんばっている子供たちとの触れ合いを大切に、ラグビー界を 盛り上げていきたいと思います。 昼食を終えた後、夕方はフィジーチームとホールドマッチ。 雨はまだ降り続いていましたが、WUで覇気がない選手を岩渕コーチが一喝。 限られた時間をいかに有効に使うかは選手次第。 これで目が覚めたチームはフィジー相手に健闘。 4トライ取られましたが2トライ取って終盤には良い形が見られました。 大会前日、恒例のミーティングでは選手全員に決意表明を語ってもらい、最後に渡邊キャプテンが「このチーム が明日からの大会を通してひとつになること」を強調。 結成2日目、練習2回の選手たちのチーム力が楽しみです。 |
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11月27日(土) 大会初日、天気は雨。初戦10時50分、カザフスタン戦は予想通りの大接戦。 しかし、今大会キッカーも務める羽野の2トライを守って10-7で勝利。 続く第2戦のUAE戦は12時半と試合間が短い連戦となりましたが、前半を4トライ連取して差を広げます。しか し、後半猛追を受け、一時は逆転を許しますが、最後まで諦めず気持ちをひとつに、最後はポスト中央に5トライ 目。ゴールも決まって1点差の勝利に選手スタッフ全員が安堵の表情を浮かべます。 そして予選最終戦は昨シーズン、ワールドセブンズシリーズ(以下WSS)で初優勝を飾ったサモア代表若手布陣。 17時半にKOを迎えたヤングジャパンはサモアに名前負けせず、佳久の大ブレイクもあり果敢に攻めて3トライを 奪取し15-0。このチームでの金星も見えましたが、後半怒涛の攻撃を受け、ボールをキープできずに防戦一方。 それでも最後まで戦い抜き15-31でノーサイド。世界レベルを肌で感じた試合になりました。 セブンズの場合、朝一番にプールで約10分間のエクササイズで身体を起こします。 朝食・テーピング・ミーティングを経て会場へ。 15人制とは異なる会場全体の雰囲気、16チームもいるので場所取りも大変です。 ウォームアップは20分のみ。しかしここではしっかりと体を当てることで試合の入りが全然違ったものになります。 試合後はアイスバス、ペアストレッチを経て休息。おにぎりやバナナ等で補食をとり、次戦に備えます。 このようにWU時間は試合を重ねる度に少なくなり、あとは体力を早く回復させるために試合の間は先ほど行った 自分たちの試合を選手同士で確認する、足を上げて休む等、みんな工夫して時間を有効に使います。 1日目を終了して、2勝1敗で予選プール2位通過。 カップ進出を決めた明日の1回戦は南アフリカ代表を数名率いる "南アフリカヴァイパーズ" と対戦します。 |
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11月28日(日) 本日は決勝トーナメント。 南アフリカの他に、フィジー、ケニア、ニュージーランド、オーストラリアチームが対戦相手となり、選手達に とっては世界のレベルを実感する一日になります。 朝は遅めのプールエクササイズと朝食、スタジアムには11時に到着。 初戦 "南アフリカヴァイパーズ" 戦、開始1分でキャプテンの渡邊が相手に見舞ったハードタックルは、当たり 所が悪く、負傷退場。その後、釜池がチームを引っ張りますが、相手のスピードあるアタックを、ハードにディ フェンスをし続け食らいつくも、ボールを常にキープされ完敗。 しかし、本物とやることができた選手の顔は少しも暗くなっていません。 次の試合時間が15時で、相手がケニアと決まりました。現在世界の強豪入りを果たしたケニアは世界ランク6-8位で、 ドバイでの2009年セブンズワールドカップでは、カップに進出し、フィジー代表に勝利してベスト4になりました。 ケニアは8年前から強化を続けて、4年前から7人制のみ選手と契約を結ぶまでに成長。 今季セブンズケニア代表から初めてスーパー14チームと契約した選手が出る等、"アフリカ版フィジー"とまで 言われています。 そのケニア戦、ウォームアップから元気良くコーリングする選手たちは、明るい雰囲気で大会最高のWUができた 中グランドに飛び出していきます。 試合は何度もアタックを仕掛けるケニアに対し、ハードディフェンスで対応。 アタックではSH吉田、SO釜池の素早い展開でチャンスを作り、DFでは学習院の新人江見が身体を張って仕留めます。 そしてノーサイド、終わってみれば15-7で会心の勝利。選手たちは渡邊キャプテンの元を訪れ歓喜。 さあ、最終戦プレート決勝の相手はニュージーランドレジェンドチーム。 願ってもない相手が続くのもセブンズならでは。 最後まであきらめない気持ちを失わず、アタックとディフェンスをハードにこなす選手たち。 しかし、最後に力尽き敗戦。プレート準優勝という結果に満足する選手はいません。 「もっとできた、次がんばるぞ」といった声があちらこちらから聞こえてきました。 渡邊キャプテンを中心に、釜池、小峰、森谷等TLの選手が大学生達をリードし、本当に良いチームができました。 短い期間でしたが、世界のレベルを肌で感じ経験したことを、所属チームで生かして活躍してくれることを願います。 |
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最後に大使館関係者のみなさま、日本人学校の田中先生及び 日本人学校関係者のみなさま、大声援ありがとうございました。 また日本食レストラン「にほんばし」の武二さまには美味しいおにぎりを用意していただきました。 みなさま本当にありがとうございます。 今後とも7人制ラグビー日本代表チームへのご声援、よろしくお願いいたします。 |
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金メダル、その後・・・
12名のメンバーは各所属チームに戻り、その週の試合に出場した選手もいるが、 他選手は翌週のトップリーグから参戦。 レッドカードで退場した築城は、その後のサイティングで3試合の出場停止が言い渡された。 TVや映像で見る限り、故意の危険なタックルではなく、その選手もそのままプレーが続行できた為、 3試合に軽減されたと聞いた(はじめは6試合出場停止と言われたらしい)。 今週は4週目、既に1ヶ月近くが経過し、ようやく築城も出場機会が得られる。 サントリーの成田も久々の先発とあって張り切ることだろう・・・(*^_^*)/ 私も会社の上役や磐田市役所での市長へ報告、またアジア大会前後に行われていたJOC主催の ラグビークリニック&講演会、ラジオ生出演(1時間トーク)他八大学ラグビーOB会による講演会など、 さまざまなところでの反響は大きい。 「7人制ラグビー金メダルおめでとう」と・・・。 今季の目標はみんなのおかげで達成できたが、また来年2月第2週目から再開の、 第11回ワールドセブンズシリーズ(通称=WSS)USA大会に参戦が決定している。 このアジアメンバーで行きたいのは山々だが、トップリーグの上位チームと大学上位校は日本選手権真っ只中。 ラスベガス大会に参戦できる可能性のあるチームは、TL上位4チーム以外で日本選手権に出場しないチームに、 入れ替え戦にも出場しない数チームに自動降格チームのみ。 それにシーズンが終了した大学からとなる。 WSSはアジアレベルより更に高い位置にあるし、昨年のラスベガス大会では、前回優勝国だったアルゼンチン代表に 開幕ゲームで歴史的勝利(7-0/友井川トライ:正面ゴール)しただけに、何とか選考できる最強のメンバーで挑みたい! ※今後のWSSスケジュール 2月 WSSラスベガスセブンズ大会(第2週) 3月 セブンズ強化合宿or海外大会&合宿(第1週~第2週頃!?) 3月 WSS香港セブンズ大会(最終週) 4月 WSSアデレードセブンズ大会(第1週) PS.アジア大会金メダル所属チームのニュース&動向 サントリー(成田・長友)↓ http://www.suntory.co.jp/culture-sports/sungoliath/spirits/1012-217_2.html トヨタ(和田・山内)↓ http://gazoo.com/G-blog/verblitz2010/264701/Article.aspx 東芝(宇薄・仙波)↓ http://www.toshiba.co.jp/sports/rugby/topics/index.htm#101209 三洋(北川・渡邉)↓ http://jp.sanyo.com/social/rugby/miyacky/101130.html コカ・コーラ(築城)↓ http://www.ccwest.co.jp/club/rugby/news_topics.html?pageId=682 神戸製鋼(正面・今村)↓ http://www.kobelcosteelers.com/pc_info/20101208_5823/ NTT(友井川)↓ http://www.ntt.com/rugby/ |
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アジア大会 / 監督リポート
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11月11日(木) 3日間の完全休養を課したセブンズジャパン。 治療、ケア、自宅に帰省する者、それぞれに3日間を満喫してこの日赤羽駅前にPM7時再集合。 太田GM含む選手スタッフ総勢16名(築城、渡邉、長友選手は後日合流)による決起集会(食事会)でチームビルディング。 ジャパンで活躍した和田、今村の両選手も今日から合流。 チームを再度結束するため、監督との1対1による個人ミーティングでは選手全員に「絆」を合言葉に選手スタッフ全員 がひとつの心で戦うことを約束した。 |
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11月12日(金) 合宿を再開したセブンズジャパンは、午前と午後を共にDEFENCE中心の練習に。 香港戦でトライを取られたパターンによるディフェンスをチェックし、もっと前に上がって仕留めるディフェンスの 確認を繰り返し続けた。 そして今日は、2006年アジア大会金メダル経験者で昨年度からセブンズジャパン主将も務める築城選手(コカ・コーラ 所属)がチームに合流。またひとり選手が戻り、チームのムードも更に明るくなっていく。 |
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11月13日(土) 今日は午前中1回のみの練習後、ポルトガル学生世界大会に出場したフォワードの渡邉選手(三洋電機)が所属チームの 合宿先から合流し、選手合計11名になった。 |
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11月14日(日) お世話になったナショナルトレーニングセンター(以下NTC)を出て、そのまま辰巳の森ラグビー場へ。 男女共に合同練習でしっかりウォーミングアップ。 女子にとってはスピードの違いに戸惑ったと思うが、基本的なことは同じ。 良い練習になったことはいうまでもなく、また、男子にとってもカバーする点では状況を見ながらしっかりサポート して走っていたのでまずは良かった。 そしてタマリバクラブとの練習試合。 アジア大会前最後の練習とあって、シンガポール・クリケットセブンズ大会予選では苦戦を強いられた相手だったが、 結果トライ数9対0の圧勝。 その後、タマリバさんとスクラム&ラインアウトのセッションでスクラムの組み方やラインアウトを競り合い、接点の 攻防を再確認することができた。感謝! |
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11月15日(月) この日は1日完全オフ。 セブンズフォワードの核になっていたコカ・コーラ所属の桑水流選手と、ジャパンの試合でけがをした神戸製鋼の谷口 選手とフォワードの2枚看板のけがによる辞退は大きな痛手だったが、桑水流選手に関しては早い段階で判っていたので、 そのポジションの穴埋めはしっかり対応してきた。 しかし、谷口選手の直前のけがによる辞退は想定外だった。 セブンズジャパンは、その夜最後の登録選手でもあった長友選手がようやく合流。 これで12名全て揃ってアジア大会に出発できることになったことも、スタッフの誠意ある対応と選手本人の意志、 また最後まで諦めなかったチームとの絆がもたらした。 全てのTL所属チームの対応に心から感謝したい。 |
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11月16日(火) 早朝、選手12名、スタッフ7名合計19名の男子7人制ラグビー日本代表団が中国・広州へ出発。 午後2時過ぎに広州の空港からバスにて約1時間の移動後選手村に到着。 早速夕方には選手村内にある陸上トラック付きのグランドで10分間走後、簡単なゲームを行ないながらストレッチ。 リカバリートレーニング後、室内に移動してプールセッション。約40分で終了した。 その夜、現地で初めてのミーティング。 大会まで練習はあと3回、チームの半数近くは先週集まったばかりだが言い訳は許されない。 今回の日程は、TL後半戦開始直前ではあるが、公式戦は入っていなかった為、近年のセブンズ経験者でTLトップの選手 を集めることができた。 しかし、実際セブンズはそう甘くないことスタッフはもとより、選手が一番良くわかっている。 だからアジア大会一ヶ月前から2つの大会に参加して経験を積む時間が必要だったのだ。 それでも半数以上が参加できてチームの芯は植えつけることができた。 |
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11月17日(水) 広州では練習会場まで車で40分以上離れているという情報をキャッチしていたので、事前に元日本代表で 現在広州トヨタに勤務する大原氏と連絡を取り合い、御社のグランドを確保。 選手村から車で20分とかからない場所で、選手の体調やストレスを感じさせないものになった。 今日は午前中、リカバリートレーニングとして広州トヨタのグランドへ。 練習前にはトヨタ所属の和田、山内両選手を連れて広州の社長にご挨拶に伺わせて頂いた。 約1時間の練習では今季初めて参加する長友選手を中心に、再度このチームの約束事をレクチャー。 チームの大きな指針は「HARD DEFENCE」、そして「DISCIPLINE」。 1試合14分間と短い時間、常に「ハードにディフェンスができる選手」、そして「規律を守れる選手」という意味がある。 今回はこの2つに、経験してきた2大会を振り返り、改めて選手とスタッフ合計19名の心をひとつにするという意味も 込めて「絆」を加えた。 |
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11月20日(土) 前日に1日オフを取り、この日はキャプテンランニング。 スリランカ代表が練習マッチを求めてきたが、丁重にお断りした。 もう選手たちはあすの初戦に向けて、今日トップを出す必要はなかったからだ。 大会前日、夜ミーティングでは、恒例の決意表明を選手スタッフ全員から言葉を頂いた。 ここでも改めて「チームの絆」合言葉にひとつにするために、私からひとつ提案したことがある。 トライをしたあと、胸にハートのマークを作ってみんなで繋いだトライということを共有しないか?と。 実はアジア大会は絶対に負けられない戦い、みんなが想像以上に気合の入った決意表明を出し合っていたので、 良い意味で緊張感を出しつつ、リラックスさせるためにもトライ後はハートを胸にマークする余裕を見せて欲しいと提案。 ハートのこもった熱いプレーで、ひとりの選手がトライをした際、それは「みんなのトライ」と言うことの協調、 さりげなくハートを作るスコアした選手たちを想像すると、選手スタッフ全員が更に結束力が固まるだろうと確信 したからだ。 |
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11月21日(日) 予選初日、会場は朝から総勢3万人程が集まりほぼ満員状態。 これだけの観客の中、大会が行われることは、毎年3月最終週に行われるワールドセブンズシリーズ(以下=WSS) 香港セブンズ大会以来だ。 初戦の対戦相手はモンゴル代表。 開始早々から攻め続け、55-0と圧倒したジャパン。 しかし、手放しではまだまだ喜べない。 パスの制度が向上すればあと2トライ取れていたはずだ。 |
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11月22日(月) この日は朝から晩まで1日3試合とセブンズ大会ならでは、とタイトな日程。 初戦はマレーシア代表相手に一蹴。 2試合目のタイ代表戦では日本にとって今大会初トライを許したものの危なげなく勝利。 そして3試合目、香港代表との予選最終戦、前半から果敢に攻めた日本代表は前に出るタックルと人数をかけた ブレイクダウン周辺での圧力をかけたターンオーバーでボールをゲットし終わってみれば24-7の快勝。 前大会のリベンジを果たしたと共に予選4試合4連勝でグループ1位通過をものにした。 |
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11月23日(火) 決勝トーナメント1回戦の相手はインド代表。 ここまで満遍なく選手を入れ替えて挑んできたおかげで、選手の疲労も少なくみんな調子が良かったので、出場時間 の少ない選手から先発出場させた。 多少のリスクはあっても、準決勝、決勝と最後の2試合にベストを尽くすためにも今大会では初めから選手12名で戦 っていることを強調したかった。 インド戦、前半は5-5と苦しむもこれがセブンズの醍醐味。 強いところに勝つこともあるが、逆に強くない国でも勝てるチャンスがセブンズには十分あるのだ。 後半選手を交代しながら試合終盤に何とか突き放して勝利した。 準決勝の相手は韓国代表。 上海セブンズ大会優勝チームでメンバーもここ数年固定された同じメンバーで戦っている。 開始早々から激しい攻防戦が続いたが、後半から徐々に差が開いて上海大会のリベンジ勝利。 決勝戦の相手は地元中国をサドンデスの末下した香港代表。 本日3試合目、3日間合計7試合目になる最終戦は決勝戦とあって、10分ハーフの20分間で争われる。 ここまでくれば本当に総力戦である。 日本のキックオフで始まった試合、香港がボールをキープして怒涛の攻撃を見せるも日本は慌てずにゴール前を しっかり守ること2分間。 そして日本の攻撃が始まったとき、長友が抜け出し、築城に渡って先制したのは日本代表。 その後も和田の好判断で自らトライ。 14-0とするも香港も自陣ゴール前からSOキースが絶妙なチップキックを自らキャッチしてタックルされながらも エースのロウワン・バーティーに繋いで、約80mの独走トライ。 嫌な取られ方をしたが、ジャパンも前半終了を告げるブザー音中に攻め続け、和田の好走でこの試合2つ目のトライ。 前半を21-7と14点差をつけた。 ハーフタイムには、ブレイクダウンで圧倒できているので、「あと10分間プライドを持って戦うだけ」と指示。 宇薄が前半3分で負傷退場したので、築城が代行を務めながら、'「絶対に最後まで諦めないこと」を強調してコメント。 そして後半のホイッスルが鳴った。 香港代表に疲れが見えていたはずだが、香港の攻撃が始まると厄介だ。 同じパターンと、ペナルティー狙いの攻防にだんだんジャパンに反則が多く取られだした時、 一瞬の隙を見逃さなかったSOキースが自ら中央にトライで21-14。 その後、香港ボールをキープしながら前進してきた相手に、外からミサイルのように突っ込んできた築城の ナイスタックル!と思いきやスピアタックル(危険なタックル)を取られて、なんとレッドカードで一発退場処分。 残り6分弱を6人で戦うジャパンは、その後のペナルティーからあっさり取られて21-21の同点。 あと5分で全てが決まる。 香港のキックオフをマイボールにしたジャパンは自陣からボールを繋ぐこと8次攻撃を過ぎ、最後は長友が ラックサイドをカットイン一発で抜け出し、貴重な逆転トライで28-21と再度リード。 残り1分半弱、ジャパンボールのキックオフは相手に当たってマイボールラインアウト。 ここから約1分間ボールをキープし続ければ勝利は目前だが、そう簡単にはいかない。 香港代表キャプテンのマーク・ライトがジャパンの持ち込んだボールをもぎ取り、香港の攻撃が始まった。 大きくゲインされたジャパンは6人で戻りながら必死のディフェンス。 そしてここ一番で山内のビックタックルが炸裂してペナルティーを獲得。 ラインアウトが最後のプレーになり、フリーキックを正面が大きく外に蹴りだしてノーサイド。 7人制ラグビー日本代表が、アジア大会2連覇を達成した瞬間、スタッフ選手共に抱き合い、健闘を称えあった。 中でもレッドカードで退場した築城選手は言葉にならないほどの号泣で、最初から最後までみんなを笑わせてくれた。 |
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※ チームの絆 今回の勝利は選手12名、スタッフ7名、合計19名の絆がもたらした勝利と言える。 合計7試合、一人当たりフル出場で104分間のゲーム出場時間中、トップは最年少山内の87分間。 そして、70分台が和田77分、今村76分、長友75分、築城74分、正面72分間と続く。 宇薄は61分間と決勝前半3分での負傷交代が響いたが、その他の選手も40分前後と3試合分は経験している計算になる。 全ての選手12名が3試合から5試合を経験して、また2試合から4試合休んだ結果、6人になっても最後までフィットネス が切れることなく戦えたチーム全体の勝利だと言える。 ここまで支えてくれた関係者、大勢のファンはじめ、全ての人々に心から感謝したい。ありがとう! そして、短期間で結束し、絆を守ってくれた選手、スタッフに心からお礼を言いたい。ありがとう! 最後に、日本から支えてくれた家族に感謝したい。ありがとう! |
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☆ 広州アジア大会記録 最多トライ王 = 和田(トヨタ) 通算8トライ/6試合中 ゴールキック成功率 = 正面(神戸製鋼) 準決勝、決勝では8ゴール全て100%成功 選手選考&監督賞 = 山内(トヨタ) 87min出場/104min中 選手選考MVP = 今村(神戸製鋼) 76min出場/104min中 |
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PS. 2選手の全試合出場・・・!? その他7試合全てに出場した(途中出場含む)選手は決勝トライを挙げた長友とレッドカードを貰った築城のみ。 この2人は大会直前に合流したこともあり、短時間でも試合に出場させて合わせて行くしかなかった。 他の10名は最低1試合から4試合は完全休養に充てることができた。 今大会で最も重要視したところだったので、みんなが試合にコンスタントに出場できたことに喜びも大きかった。 |
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