村田亙 オフィシャル ウェブサイト

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専修大学ラグビー部監督 村田亙 インタビュー

母校である専大ラグビー部の監督に就任して3年目の2014年、シーズン終了時に彼は歓喜の中心にいた。
13年ぶりにチームを1部の舞台へと引き上げた村田亙監督。
2014年を終えての率直な想いと、来季への意気込みを語った。

専Sation 専大スポーツ増刊号 2015,3,11 NO.13
――1部復帰が決まったということで、今の率直な感想を教えて下さい。

選手たちでしっかりゲームを作って、試合終盤の厳しい局面も守りきってくれたので、ここまでやってきたことが間違いではなかったと証明できた入替戦だったと思う。本当によく選手たちが1年間ついてきてくれた。
パフォーマンスのピークを最後の最後に持ってきてくれたことも嬉しかった。あとは10年以上どんな試合でも観に来てくれた専大ラグビー部のファンは何人もいましたから。そういった人たちが今回の入替戦の勝利に涙して喜んでいるのを見ると、「母校に戻ってきて良かったな」と思う。私自身は常にポジティブだし、有言実行は私のモットーでもある。
今回はそれを実行できて良かった。


――昨季のテーマが「専修革命・Revolution」。このテーマの意図は「自主性を重んじる」ということですが、監督から見た昨季のテーマの達成度はいかがですか?

達成度から言うと、80%は達成できた。みんながそれぞれに自立しようとする姿勢を持って、意識して行動してくれた。昨季のテーマは主将の棚橋と決めた。ラグビーというスポーツは、グラウンドに立てば主将を中心に行う。
自分たちで考え、プレーで行動を示さないといけない。我々スタッフはあくまでも準備する側で、一コーチとして選手を支えるけど、試合に出られるのは15人しかいない。だから、選手たちと積極的にコミュニケーションをとって、チームを作っていくことが大事だということを伝えてきた。そういった意味では、本当にコミュニケーションが取れるチームになった。


――昨年1年間を戦うにあたって、正直プレッシャーは感じましたか?

私には元日本代表選手、監督としての名前がある以上、プレッシャーは毎年感じていることであって、過度に期待する人も多々いる。そんな中で2年間結果が出ないとなると、お叱りを受けてしまう。
ただし、専大の監督なったからプレッシャーを感じているわけではなくて、現役時代や日本代表監督だった時も常にいろんなプレッシャーを感じることはあった。だから、私自身がやることは結果を出すこと。いくら良いプロセスを踏んでも、結果が伴わなければ、やはり監督責任ということになる。
そういったプレッシャーも感じながら1年間を過ごせたことが、いい結果につながってくれたのではないかなと思う。


――1部に昇格したことで周りの目やプレッシャーというのは変わりましたか?

今は本当に喜んでいられる。しかし、この喜びというのはだんだん忘れ去られていく。これからは少しずつ心配してくれる声が増えてくると思う。ただ、それは良い意味で、「絶対来季もやってやる」という心地よいプレッシャーになる。
これからのやる気をふつふつと湧いてきているし、そっちの方が楽しみ。


――昨季のターニングポイントとなった試合はありますか?

関東学院大戦(第5節◯34-13)ですね。昨季は2点差(●19-21)で負けて。その悔しい経験があったから、昨季は選手たちの気持ちの高ぶりがプレーにつながったのだと思う。ただ19年ぶりに関東学院大にリベンジして勝てたことで、選手たちの中で「あとは最終節の國學院大に勝つことができれば」という気持ちになったのではないか。
もちろんその前に拓大戦が残ってはいたが、とりあえず入替戦圏内の2位以内はキープできるんじゃないか、と選手たちは思っていただろう。けれども我々スタッフはそう簡単には思っていなかった。学生スポーツは最後まで本当に何が起こるかわからないから。


――来季から秩父宮ラグビー場でリーグ戦が行われますが、秩父宮で試合ができることについてどのようにお考えですか?

秩父宮ラグビー場は日本ラグビー界の聖地。そこに選手たちを立たせられるから、私自身とても嬉しい。昨年はジャパンセブンズ(7人制)大会に出場して、初めて選手たちも秩父宮のグラウンドに立つことができた。
みんな興奮していたよ。その大会は1回戦で惜敗だったけど、選手たちは本当に輝いていた。
そんな場所でプレーできることは本当に素晴らしいこと。


――来季から舞台が1部になるということで、チームで1年間戦い抜くためにはどういったことが必要ですか?

私がチームに求めている「規律」を意識することはもちろん、最後まで諦めない、妥協しないことが必要。
プライドを持って欲しい。「専修大学ラグビー部」という看板を背負っていることを常に意識して行動すれば、成果となってつながっていく。来季はどれだけできるかチャレンジ。チャレンジしないと次のステージに進めない。常にみんなが向上心を持ってやってほしい。


――来季の目標を教えて下さい。

大学選手権出場。これは「何位以内」とかではなくて「大学選手権出場」。せっかくそこにチャレンジできるステージに立てるのであれば、まずは1部5位以内を目指す。もう入替戦は行きたくない。「大学選手権出場」すれば、また新たなステージが見えてくると思う。今それができる選手が専大に揃ってきている。
だから十分狙えると思って、次の1年間をまた逆算してやっていくだけ。私としては、どんなチームでも勝たせてきたと自負している。それはプレイヤーとして勝たせてきたことも併せて、今は指導者として7人制で勝たせて、今度は15人制にチャレンジしている。低迷した専大ラグビー部を1部という舞台に立たせることに3年かかってしまった。これもひとつの成果であって、真価が問われるのはこの後。
今年、更に5年後7年後、本当に私が言った通り、リーグ戦優勝、日本一争いできるかどうか。

(インタビュー:専スポ編集部/2014年12月)
6年ぶりの入替戦に勝利! 13年ぶりに一部復帰を果たした!!
2014棚橋組、専修革命・Revolution 達成!